はい、こんにちは。
好評のサイエンスはるかです♪
さて、今回は今の季節に関係ある梅雨前線について
解説して見たいと思います。
実は知っていそうでも、誤解があったり奥が深いんです。
前線とは、異なる性質の気団がぶつかる場所に発生するものです。
異なる性質ってなんだろう?
考えられるのは、以下の違いです。
前線は発生します。
暖かい空気と冷たい空気がぶつかれば発生しますし、
湿った空気と乾いた空気(後述)でも発生します。
また、暖かく湿った空気と、冷たく乾燥した空気のように
複合したものも性質の違う気団として扱われます。
冷たい空気が急激に上昇する前線を
寒冷前線と言います。
絵にしてみましょう。
地上の地点Bは、現在暖かい空気に覆われています。
日本がある緯度では、風は西から東に流れていきますので、
時間が経過すると地点Bは、寒冷前線が通過し
その後冷たい空気に覆われ、大幅に気温が下がります。
Bの場所からみたら、これから寒冷になる前の線という訳です。
これを寒冷前線と言います。
寒冷前線は、暖かい空気に冷たい空気が潜り込むように入り込み
急激な上昇気流となるため、発達した積乱雲が発生する事が多いです。
前線を温暖前線と言います。
地上の地点Bは、現在冷たい空気に覆われています。
時間が経過すると地点Bは、温暖前線が通過し
その後暖かい空気に覆われ、大幅に気温が上がります。
Bの場所からみたら、これから温暖になる前の線という訳です。
これを温暖前線と言います。
温暖前線は、冷たい空気に暖かい空気が登っていきますから、
成層が安定しており、急激な天気変化が起こりにくいです。
ですので、ぐずついたパッとしない天気になることが多いです。
同じくらいの勢力で、停滞する前線の事を言います。
梅雨前線や秋雨前線などが停滞前線になります。
梅雨前線は、北側がオホーツク海気団、揚子江気団、
南側が小笠原気団、熱帯モンスーン気団にそれぞれ
挟まれて、勢力が拮抗した場合停滞します。
特徴について説明したいと思います。
たとえば、本日のメチャクチャ暑かったデータを
使って見ましょう。
本日の気温データ(午前3時なので日射の影響無し)
本日の地上天気図
上の図は、アメダスの地上気温データです。
下の図は、そのときの梅雨前線の位置です。
どうでしょうか?
梅雨前線の北側と南側で温度の差があると思いますか?
殆ど無い事が分かります。
しかし、日中温められて日射が強くなると
こうなります。
本日の気温データ(15時)
梅雨前線の北側と南側で5度程度の差が、
はっきりと読み取れます。
梅雨前線の位置も見てみましょう。
何がいいたいかというと、
梅雨前線の北側は冷たく、南側は暖かいという
「梅雨前線を説明する良くある図」は
あまり正しくないのです。
だって、夜は気温差が無いですよね?
それでも、前線が消える訳ではなく
存在します。
昼間温度差ができるのは、
太陽放射による放射熱で空気が暖められ
その空気が前線に流れ込み、刺激されているから
なのです。
ちょっと分かり難いですね。すいません。
ですが、本項目では、
温度差だけでは無いというのを
感覚で分かって頂けるだけで充分です。
梅雨前線は、温度傾度(前線の北側と南側の差を傾度という
言い方をします)は、あまり大きくなく
湿度傾度が高い前線なのです。
梅雨前線の説明で、この事に触れているサイトは
非常に少ないので、良く学習してくださいね。
前線の定義では、二つの異なる気団が
ぶつかると前線が発生すると説明しました。
梅雨前線の二つの異なる気団とは、
湿度が高い気団と湿度が低い気団の事なのです。
それでは湿度が高い気団と、湿度が低い気団で
何が起こるのかを解説したいと思います。
と、その前に、難しい言葉を先に出します。
乾燥断熱減率と湿潤断熱減率です。(ごめん)
まず、以前の記事のおさらいです。
大気の状態が不安定ってなんだろう
//www.harukas.org/blog/252/
この中で、重要な式が出てきます。
p=ρRT
理想気体の状態方程式です。
これは、温度と気圧は比例するという式でしたね。
気圧は高度と同義ですので、高度に当てはめますね。
たとえば、地上に20度の乾燥した空気があります。
この乾燥した空気は、100m上昇する毎に1度下がります。
ですので、上空1000mまで持ち上げると
20度だった空気は、10度になるのです。
この、100メートルで1度という数字が
乾燥断熱減率です。
では、湿潤断熱減率というのは何かという事ですが
これは、湿った空気を同じように上昇させると
どうなるか?というものです。
数値は、100メートルで約0.6度さがります。
そうです。乾燥断熱減率より40%も違うのです。
同じように20度の空気を1000mまで持ち上げると
14度になるのです。
乾燥した空気なら10度、湿った空気なら14度
これだけ、温度の差ができるのです。
もう一度言いますが、地上は20度ですので、
同じ温度です。
それなのに、湿っているか、乾燥しているかの
違いで、上空1000mでは4度の差が生まれました。
これが、梅雨前線の正体なのです。
梅雨前線は、温度傾度より湿度傾度が高い前線である。
これが、私の言いたい事です。
ちょっと難しかったですね。
同じ温度なら、湿った方が高いエネルギー
(エントロピーと言った方が良いか)を
持っている訳です。
ではでは♪
次回好評なら、梅雨明けとは?
とか行きたいですね。
それじゃおやすみ♡
好評のサイエンスはるかです♪
さて、今回は今の季節に関係ある梅雨前線について
解説して見たいと思います。
実は知っていそうでも、誤解があったり奥が深いんです。
前線の定義
まずは、前線の定義からいきます。前線とは、異なる性質の気団がぶつかる場所に発生するものです。
異なる性質ってなんだろう?
考えられるのは、以下の違いです。
- 温度が高いか低いか
- 湿度(水蒸気)が多いか少ないか
前線は発生します。
暖かい空気と冷たい空気がぶつかれば発生しますし、
湿った空気と乾いた空気(後述)でも発生します。
また、暖かく湿った空気と、冷たく乾燥した空気のように
複合したものも性質の違う気団として扱われます。
寒冷前線
暖かい空気に、冷たい空気が潜り込み冷たい空気が急激に上昇する前線を
寒冷前線と言います。
絵にしてみましょう。
地上の地点Bは、現在暖かい空気に覆われています。
日本がある緯度では、風は西から東に流れていきますので、
時間が経過すると地点Bは、寒冷前線が通過し
その後冷たい空気に覆われ、大幅に気温が下がります。
Bの場所からみたら、これから寒冷になる前の線という訳です。
これを寒冷前線と言います。
寒冷前線は、暖かい空気に冷たい空気が潜り込むように入り込み
急激な上昇気流となるため、発達した積乱雲が発生する事が多いです。
温暖前線
冷たい空気の上に暖かい空気が徐々に登る前線を温暖前線と言います。
地上の地点Bは、現在冷たい空気に覆われています。
時間が経過すると地点Bは、温暖前線が通過し
その後暖かい空気に覆われ、大幅に気温が上がります。
Bの場所からみたら、これから温暖になる前の線という訳です。
これを温暖前線と言います。
温暖前線は、冷たい空気に暖かい空気が登っていきますから、
成層が安定しており、急激な天気変化が起こりにくいです。
ですので、ぐずついたパッとしない天気になることが多いです。
停滞前線
停滞前線は、異なる二つの空気の強さが、同じくらいの勢力で、停滞する前線の事を言います。
梅雨前線や秋雨前線などが停滞前線になります。
梅雨前線は、北側がオホーツク海気団、揚子江気団、
南側が小笠原気団、熱帯モンスーン気団にそれぞれ
挟まれて、勢力が拮抗した場合停滞します。
梅雨前線の特徴
この章では、良く誤解されている梅雨前線の特徴について説明したいと思います。
北側が寒く南側が暖かい
そうなのですが、実はちょっと違うのです。たとえば、本日のメチャクチャ暑かったデータを
使って見ましょう。
本日の気温データ(午前3時なので日射の影響無し)
本日の地上天気図
上の図は、アメダスの地上気温データです。
下の図は、そのときの梅雨前線の位置です。
どうでしょうか?
梅雨前線の北側と南側で温度の差があると思いますか?
殆ど無い事が分かります。
しかし、日中温められて日射が強くなると
こうなります。
本日の気温データ(15時)
梅雨前線の北側と南側で5度程度の差が、
はっきりと読み取れます。
梅雨前線の位置も見てみましょう。
何がいいたいかというと、
梅雨前線の北側は冷たく、南側は暖かいという
「梅雨前線を説明する良くある図」は
あまり正しくないのです。
だって、夜は気温差が無いですよね?
それでも、前線が消える訳ではなく
存在します。
昼間温度差ができるのは、
太陽放射による放射熱で空気が暖められ
その空気が前線に流れ込み、刺激されているから
なのです。
ちょっと分かり難いですね。すいません。
ですが、本項目では、
温度差だけでは無いというのを
感覚で分かって頂けるだけで充分です。
梅雨前線の正体とは何か
結論を先に書きます。梅雨前線は、温度傾度(前線の北側と南側の差を傾度という
言い方をします)は、あまり大きくなく
湿度傾度が高い前線なのです。
梅雨前線の説明で、この事に触れているサイトは
非常に少ないので、良く学習してくださいね。
前線の定義では、二つの異なる気団が
ぶつかると前線が発生すると説明しました。
梅雨前線の二つの異なる気団とは、
湿度が高い気団と湿度が低い気団の事なのです。
それでは湿度が高い気団と、湿度が低い気団で
何が起こるのかを解説したいと思います。
と、その前に、難しい言葉を先に出します。
乾燥断熱減率と湿潤断熱減率です。(ごめん)
まず、以前の記事のおさらいです。
大気の状態が不安定ってなんだろう
//www.harukas.org/blog/252/
この中で、重要な式が出てきます。
p=ρRT
理想気体の状態方程式です。
これは、温度と気圧は比例するという式でしたね。
気圧は高度と同義ですので、高度に当てはめますね。
たとえば、地上に20度の乾燥した空気があります。
この乾燥した空気は、100m上昇する毎に1度下がります。
ですので、上空1000mまで持ち上げると
20度だった空気は、10度になるのです。
この、100メートルで1度という数字が
乾燥断熱減率です。
では、湿潤断熱減率というのは何かという事ですが
これは、湿った空気を同じように上昇させると
どうなるか?というものです。
数値は、100メートルで約0.6度さがります。
そうです。乾燥断熱減率より40%も違うのです。
同じように20度の空気を1000mまで持ち上げると
14度になるのです。
乾燥した空気なら10度、湿った空気なら14度
これだけ、温度の差ができるのです。
もう一度言いますが、地上は20度ですので、
同じ温度です。
それなのに、湿っているか、乾燥しているかの
違いで、上空1000mでは4度の差が生まれました。
これが、梅雨前線の正体なのです。
梅雨前線は、温度傾度より湿度傾度が高い前線である。
これが、私の言いたい事です。
ちょっと難しかったですね。
同じ温度なら、湿った方が高いエネルギー
(エントロピーと言った方が良いか)を
持っている訳です。
ではでは♪
次回好評なら、梅雨明けとは?
とか行きたいですね。
それじゃおやすみ♡
コメント一覧
湿った空気は上昇して雲粒が出きるとき潜熱が放出されるから乾いた空気ほど温度が下がらず、
上空で2つの気団の温度に差が出るため露点に達するという理屈なのですね。ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
主張したい内容は、その通りです。
ブログ始めた頃の記事でしたので、変な改行と読みにくい文章で本質を理解いただきありがとうございました。
ご指摘、感謝です。
言い訳ですが、冷たい空気も東進しているのでそれを表現していました。
おっしゃるとおり、誤解を生む可能性がありますので、分かりやすく変更しました。
ありがとうございました。
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